挨拶


上伊那地域糖尿病療養指導士育成会 会長あいさつ

伊那中央病院 内科部長 西村 好裕

 糖尿病患者さんは急速に増加しており、年ごとに行われている2012年の「国民健康・栄養調査」では、日本における糖尿病人口は約950万人・糖尿病予備軍が約1,100万人と実に国民の人に1人が該当します。この原因にはいろいろありますが、食事のバランスや運動量の低下などが大きな要因と考えられます。また、糖尿病の合併症による透析導入は約1.6万人/年、失明が約3千人/年と糖尿病発症後の合併症予防や合併症の悪化を防ぐことも重要です。

 

 上伊那地域の多くの糖尿病患者さんの療養指導を行うためには、糖尿病の発症予防・早期受診・治療の継続・合併症治療という各段階に関わる看護師・保健師・栄養士・薬剤師・理学療法士・医師などの多くの医療関係者が協力する必要があります。

 

国内には日本糖尿病療養指導士認定機構がCDEJ(Certified Diabetes Educator of Japan : 日本糖尿病療養指導士)の認定を行っており、長野県にも2022年6月現在で427人が資格を取得しております。しかし、CDEJの資格取得には一定の基準を満たしている必要があり、糖尿病患者さんに関わる多くの医療従事者がCDEJ資格の取得が難しい状況です。また、資格の更新要件も多く、研修会への参加では移動時間と費用も負担となってしまいます。このため、地方の医療圏単位で地域糖尿病療養指導士制度が各地で設立されており、資格取得や更新が近隣で行われるようになっております

 

長野県では、2008年に東北信、飯田下伊那に2010年、中信地区に2012年に地域糖尿病療養指導士の制度が立ち上がり、2013年に上伊那地域糖尿病療養指導士制度が発足しました。

上伊那地域の医療機関・施設・薬局・役所などに勤務される多くの医療従事者が連携しつつ、患者さんへの情報提供や療養指導へ関わることが必要です。皆さんの参加をお待ちしております。